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看護師に疲れた人へ。看護師から他職種に転職して知った世界

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元看護師・現医療ライターのひろたです。

今から12年前に、看護師をやめました。

患者さんの急変や緊急搬送に対応しながら毎日なにもないことを祈り、患者さんや他スタッフとの関わりに気を使い、ミスの許されない環境で交代勤務を最小人数でこなす日々。

たった3年、それでも毎日必死に頑張ってきましたが、終わりのない辛い毎日に疲れ切っていました・・・

 

今回は、看護師からパタンナーに転身後、なぜ医療ライターとして活動することになったのかをお話したいと思います。

 

目次

私が看護師になった理由

看護師になったのは、いくつかの理由が重なっています。

母が看護師だったことや手に職をつけるよう幼い頃から言い聞かされたこと、女性でも一生困ることのない給料を得られることなどから、看護師になるために高校は衛生看護科に進学しました。

卒業後、就職して働き始めましたが、自分には看護師は向いていないのではないかと感じ始めました。

 

歯医者で出会った漫画が転機に

そんなとき、虫歯の治療のために訪れた近所の歯医者の待合である漫画に出会いました。

それが「Paradise Kiss (パラダイス・キス)」でした。

パラダイス・キスの内容は、服飾専門学校を舞台にしたデザイナー志望の学生と女子高生の恋物語ですが、服飾のキラキラした世界にたまらなく心惹かれました。

アトリエ、トルソー、パターン、生地、ビーズ・・・

自分の思い描く服を一から作り上げるその世界は、大好きな手芸を昇華した自分が行ってみたい、挑戦したい世界でした。

漫画に登場する職種の中で、特に気になったのがパタンナーでした。
デザイン画を元に、型紙を作り上げ、縫製指示書の作成など平面を立体にする仕事です。

そこから、どうやったらパタンナーになれるかを調べ、服飾専門学校に通うことを決意しました。病院を辞めるまでにいろいろとありましたが、なんとか辞めることができ、新しい世界に飛び込むことにしたのです。

 

パタンナーになって知った別の世界

服飾専門学校の2年間は、これまでの人生の中で一番充実していました。
看護師のパートをしながら専門学校に通い、毎日課題に追われ、泣きながら作品を作っていたこともありました。

でも、病棟看護師をしていた頃に比べれば問題ありません。親友と呼べる人にも出会え、パタンナーになる夢を追いかける毎日は、あの漫画のキラキラした世界そのものでした。

賞を受賞することもでき、最高の2年間を過ごすことができました。

そして、無事にパタンナーとして就職しました。

しかし、パタンナーになって知った世界は、全然キラキラしていませんでした。

ものづくりは楽しいし、夜勤もなく、人の命に関わることもない。
でも、納期はあるし、他のパタンナーや他職種との連携が必須。すべき業務は多岐に渡り、ミスがあれば製造ラインが止まり、その責任を思うと計り知れない重圧を常に背負っているようでした。

とにかく納期に間に合わせるために、毎日カレンダーと睨み合い、同時並行する品番のスケジュールを管理。ボタン1個の発注の遅れでスケジュールが崩れる恐れもあり、展示会の前は、部署全体が殺気立っていました。

そして、年収が看護師時代の3分の2以下になったことで節約節約の毎日でした。

結局、自分に向いていると思った仕事でも、楽しさよりもしんどさのほうが上回っていました。

 

転機は結婚と妊娠

そんな毎日が続くなか、現在の夫と出会い結婚。それから、引っ越し・妊娠・出産と2〜3年で生活が一変しました。

夫婦2人で頑張っていましたが、育休復帰してからのワンオペ育児、通勤に往復2時間の生活に完全にキャパオーバー。さらに夫の転職が重なり、このままではしんどいだけで、誰も幸せじゃない!と、働き方を変えることにしました。

そのときに選択したのは、当時周知されつつあったクラウドソーシングを利用した在宅ワークでした。

子どもを育てながら家で仕事ができ、勤務時間や時間帯も自由。

さらに、看護師の知識と経験を生かせば、通常の単価よりも高い報酬であることがわかり、これしかない!と次のステージに移ることを決意したのです。

そこから5年、ついに看護師時代の月収をこえることができるまでになりました!

 

まとめ

受注先の企業の方とのメールのやりとりやちょっとしたビジネスマナー的なことは、パタンナー時代に身につけた知識が役に立っています。
医療知識は看護師時代の知識や経験が生きました。

どちらかが欠けていても、今の自分はなかったでしょう。

結局、どの職種も一長一短ありますが、そのときの自分に一番必要なものを吟味し、その条件に一番合う状態に持っていくのがベストだと思います。

看護師時代は、自立できるお金と経験を積むこと。

パタンナー時代は、ものづくりに没頭し、自己実現を果たすこと。

看護師ライターの現在は、子どもを優先して効率よくお金を稼ぐこと。

必要なものは、ライフイベントや自分や家族の状態によってどんどん変わっていきます。

もし、今の看護師の仕事が自分に合っていないと感じるなら、転職したり、他職種を経験したり、学校で学び直すのも1つの方法です。
看護師になったから、それを一生続けないといけないなんてことはありません。
「逃げ」だと言われたとしても、それは違います。

その先に道はいくらでもあるので、一度看護師から離れてみるのもありです。となりの芝生は青いかもしれませんが、実際に行ってみたらどうなるか確かめてみることもいいでしょう。

少なくとも私は、看護師の他の職種を経験でき、そのことが基盤となって現在の医療ライターとしての道を進んでいる今の人生でよかったと思います。

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