医療ライターズ事務所medipen(メディペン)には、さまざまな医療資格を持つライターが在籍しています。
医療ライターにとって、medipenに参加するメリットは?
medipenの今までとこれからについて、代表の広田 沙織(ひろた さおり)さんに聞きました。
medipenを立ち上げるまで
広田さんは2016年6月からライターとしてスタートしたそうですが、それまでに書き方をどこかの講座で習ったり、メンターについて学んだりしたのですか?
ー広田沙織(以下、広田)
いいえ。私自身はライティングを習った経験はありません。仕事を請けながら、クライアントさまからのフィードバックでノウハウを覚えました。
最初に仕事をしたサイトでは、産婦人科の記事を100ほども書いたのですが、このときの担当者さまが親身になって医療ライティングのあれこれを教えてくれたのです。新米ライターだった私の基礎は、実践で鍛えられてできあがりました。
なるほど。ライターを始めて最初の壁は、なかなか仕事がもらえないことだと思います。広田さんの場合、よいクライアントさまに出会えたり、医療に特化したりしたことで順調な滑り出しになったのでしょうか?
ー広田
いいえ。最初は稼げませんでしたね。月に5万円稼げればいいほう、という状態が3年ぐらい続きました。
転機が訪れたのは、2020年のはじめです。
大量の仕事を依頼されるようになり、私一人では対応しきれないので、知り合いのライターに声をかけて協力してもらうことにしたのです。
クライアントさまには、最後に私がすべて目を通すのならと、了承をいただいてスタートしました。
他のライターに書いてもらうとなると、記事の質を担保するのが難しいように感じますが、そこをどのようにして切り抜けたのですか?
ー広田
そうですね。最初は、お願いした記事の質が悪ければ私が直せばいい、と思っていたんです。
しかし、私が修正して納品するだけにしてしまうと、結局ずっとその状態が続きます。
そこで、協力してくれるライター(提携ライター)にはその都度フィードバックをして、同じことを繰り返さないで済むようにしていきました。
広田さんが最初の案件でフィードバックを受けたように、提携ライターにノウハウを伝えていったんですね。
ー広田
そうです。
私は、書ききれない仕事を助けてもらえる。
ライターは、仕事とフィードバックを得られる。
Win-Winの関係ができていたのではと思います。
実績が少なく、案件に応募してもなかなか採用されない、あるいは低単価案件しかとれないライターにとって、単価のよい仕事を紹介してもらえるのはありがたいですね。
しかも、的確なフィードバックで成長できる案件は、それほど多くありません。
ライターから見ても、魅力的なシステムだと思います。
ー広田
2021年にはさらにご依頼をいただくようになり、提携ライターを追加募集しました。
一方で応募者の中には、医療経験が豊富でお人柄も素晴らしいけれど、ライティング経験が少ない、という人もいたのです。
この人と一緒に仕事したい。けれども、このままでは活躍してもらいにくい。
そこで、ライターの育成を考え始めました。
ライターの育成!フィードバックだけではなく、基礎的な文章の書き方からの育成、ということですか?
ー広田
そうです。
しかし、私も実践から学んできたライターなので、基礎をどうやって教えたらいいのかと思っていました。そこで、以前一緒に仕事をしていた人に相談したら、
「じゃあ僕が基礎を教えるから、広田さんは医療ライティングに必要なところを教えたらいいよ」と。
メディペンlaboの始まりですね!
医療ライター育成講座メディペンlaboスタート
ー広田
2021年5月に「医療ライター育成講座メディペンlabo」の第1期を始めました。
このころは、基礎コースと医療ライターコースの2コースを用意しました。
ライティングの基本を身につけたい人は、基礎コースへ。一般的なライティングを学びながら、課題記事を執筆して添削を受けてもらいます。
基礎はできている人、あるいは基礎コースを終えてテストに合格した人は、医療ライターコースへ。医療記事で重要な「レギュレーション」に沿ったライティングや、記事のエビデンス(根拠)とする情報の探し方などを、アドバイスしていきました。
実力や経験によって、適したコースで学べるようになっていたのですね。
ー広田
第1~3期生までは、全員に同じ課題をやってもらっていました。しかし、第4期以降は受講生一人ひとりに合わせた課題をお渡しして、より学びやすくしています。
講座そのものも進化しつづけているんですね。講座の受講生たちはお互いに交流があるのですか?
ー広田
ええ。Slack(スラック)上に「雑談部屋」を作ってやりとりをしていました。Webライターは、家で一人もくもくと仕事をしがちなので、ライター同士で情報交換や悩みの相談、ちょっとした雑談などができるようにしたのです。
コミュニティーや仲間の存在は、Webライターを続ける上で大きなモチベーションになると感じます。
仕事がつらいときでも仲間とのやりとりで気分が変わったり、仲間の仕事ぶりに刺激されたり。メディペンlaboに参加すれば同じ医療ライターの仲間ができるというのは、魅力ですね。
メディペンlaboのさらなる進化
ー広田
じつは、2022年にリニューアルして、さらにコミュニティー要素を強めたんです。
というと?
ー広田
リニューアル前は、育成講座の受講生だけが集まる場でした。
リニューアル後は、受講生以外にも医療ライターとして活動している人、これから医療ライターになりたい人が参加しています。
なるほど。より多様な人材が集まるようになった、と!
ー広田
そうです。
まず、メディペンlabo(Slack上のコミュニティー)に参加していただきます。そして、そのメンバーの中に講座を受けたい人がいれば案内する流れにしました。
仕事をお願いするのは、講座の修了生やそれに見合う技術のある人。それぞれのライターの実力や得意なことを把握した上で、仕事を振り分けられるようにしたのです。
さまざまな医療資格を持つ人が集まったので、それまでクライアント様からお声がけいただいてもお断りするしかなかったジャンルの記事にも、対応できるようになりました。
どんな医療資格を持つライターがいるのですか?
ー広田
看護師・管理栄養士・保健師・薬剤師・放射線技師・診療情報管理士など、およそ20人のライターが在籍しています。まだこれから増えていくと思います。
多様な人材が集まると、できることもどんどん増えそうですね!
ー広田
ええ。Slackでの交流もさらに活発になって、ライター同士の刺激が生まれています。
最近では、健康運動指導士による「ストレッチ講座」を定期的に開催していますし、ChatGPTや校正ツールなどの最新情報を学べるオリジナルの講座なども始めました。
仕事の紹介以外にも、ライターの人たちに参加していただく価値を提供できるようにと考えているところです。
医療ライター事務所medipenが、今も進化中だとわかりました。
では、今後はどのような方向に進もうとしているのか、構想をお聞きできますか。
ー広田
現在、クライアントさまからのご依頼を請けて、チームで企画・取材・執筆までできる体制ができつつあります。
いずれは法人化して、医療記事の企画から校正まで一括して請け負える、編集プロダクションにしていければと考えているところです。
メディペンlaboのご案内
医療ライターズ事務所medipen設立の経緯とこれからについて、代表の広田 沙織さんにお聞きしました。
medipenは、参加してくれる医療ライターを募集しています。
メディペンlaboに参加するとできることは、次のとおりです。
- 医療ライター育成講座の受講
- 医療系ライティング案件の紹介
- 医療ライター同士の交流・情報交換
- オリジナルのオンライン講座への参加
この他にも、medipenでは所属ライターにさらなる価値を提供できるように考えています。
講座はいつ受けられるのか、どんな仕事があるのかなど、気になることがありましたら、こちらからお気軽にお問い合わせください。