「医療記事を依頼したのに、思っていた仕上がりと違った」「修正のやりとりが何度も続いた」
そんな経験はありませんか?
実はその多くが、依頼時の伝え方や情報の伝達ミスによって起こります。
今回は、医療ライターの立場から見た「困った依頼」と、その原因・回避方法を紹介します。
発注側のちょっとした工夫で、よりスムーズで質の高い記事制作が実現できます。
1.「誰に対してなにを伝えたいか」 があいまい

「とりあえずホームページに載せられる医療記事をお願いしたい」
「うちのサイトが上位表示される記事を書いてほしい」
「このサイトのような記事が欲しい」
そういった抽象的な依頼では、ライターが記事の方向性を決めにくくなります。
医療記事は、目的(何のために書くのか)とターゲット(誰に読ませたいのか)が明確であるほど、質が上がります。
目的がはっきりしていないと、読者の理解度やSEO効果も中途半端になりがちです。
💡回避のコツ
- 記事のゴールを明確にする
- 想定読者(患者・家族・医療従事者など)を伝える
- どんな行動を促したいのか(受診・知識の普及・理解促進など)を共有する
2. エビデンスがない・乏しい

医療記事では、エビデンス(科学的根拠)に基づいた情報が必須です。
つまり、エビデンスが存在しない記事は書けないことになります。
「〇〇という治療法についての記事を書いて」と言われても、ガイドラインや各学会サイトにも書かれていない治療法は書けません。
誤った医療情報は、医療機関や企業の信頼を損なうだけでなく、読者の健康や命に関わることもあります。
💡回避のコツ
- エビデンスのない医療情報の発信は、いろいろな意味で命取りになることを知る
- 参考サイトやガイドラインを共有する(例:産婦人科診療ガイドラインなど)
- 一般論ではなく、一次情報をベースに依頼する
3. 修正依頼の意図が伝わらない
「もっとわかりやすくして」
「トーンを明るく変えてください」
こういった抽象的な指示では、ライターが修正の方向をつかみにくくなります。
修正意図が明確でないと、やり取りが長引き、納期にも影響します。
💡回避のコツ
- 「専門用語が多く難しい」など、理由を添えて伝える
- 具体的な箇所をコメントで指示する(例:「ここを一般向けに言い換えて」など)
- トーンの見本になる記事URLを共有する
依頼側の「どう直してほしいか」を可視化することで、修正が1回で完了するケースが増えます。
4. 納期が短すぎる依頼

医療記事の制作には、構成設計・調査・執筆・校正という複数の工程があり、時間を要します。
「3000字を明日までに」「急ぎで今日中に」などの依頼では、正確な情報確認が難しくなります。
💡回避のコツ
- 通常、構成案の確認から納品まで5〜10営業日程度を目安に
- 取材や監修を含む場合は、余裕をもったスケジュール設定を
- 納期短縮が必要な場合は、追加費用やチーム対応の相談を
短納期案件ほど、ライター側の確認工数が増えるため、結果的にコストが高くなることもあります。
5. 医療広告ガイドラインへの配慮不足
「◯◯に効く」「絶対治る」などの表現は、医療広告ガイドラインで禁止されています。
不適切な表現やグレーな表現を使ってしまうと、会社の信頼失墜や訴訟のリスクを負うことになる可能性も。
💡回避のコツ
- 「治療効果を断定する表現」は避ける
- 「個人の体験」や「比較表現」も注意が必要
- 医療ライターや監修者にガイドライン確認を依頼する
医療分野では「誇張しない」「正確に伝える」が何より大切です。
手間を省くと後々大変になる可能性大
より良い制作体制をつくるには、手間を惜しまないことが大切です。
目的や根拠、スケジュールを共有することで、記事の質が上がり、修正の手間も減ります。
メディペンでは、医療資格を持つライターがヒアリングから構成提案・執筆・監修まで一貫して対応。
依頼者様が安心して任せられるよう、正確で伝わりやすい医療記事をお届けします。